住まいと暮らしにとけこむ家具のしつらえvol.1
みなさん、こんにちは。 唐突な疑問ですが、「もし、住まいの中に家具がなかったら?」。想像してみたことありますか?床の上に座り、床に食器を置いて食事をし、いろんなものが乱雑に置かれた中での暮らしになりそうです。そう考えると、家具は、住まいの中を整理し、機能的に快適に暮らすための道具として生み出されてきたということが容易に想像できます。そして、単なる道具としてだけでなく、そのデザインによって暮らしに潤いを与え、ゆとりをもたらす仕掛けとして欠かせない存在にもなっています。そのような「住まいと暮らしにとけこむ家具」について数回にわたり特集してみたいと思います。
vol.1は、玄関まわりの家具について考えてみます。玄関は、家族が毎日出入りする空間であるとともに、時にはお客さんを出迎える空間でもあります。家族で生活しているだけなら、普段、子供に脱いだ靴をきちんと並べるようにしつけをしたり、気をつけて片づけていれば良いのですが、急にどなたか訪ねて来て、あわてて片づけなければならない時もあります。また、玄関にちょっとした小物や観葉植物が置かれていると、暮らしにうるおいが生まれ、お客さんも気持ち良く迎えられます。そのために、飾り棚や下足収納などのしつらえが役に立ちます。
次の写真は、私どもで設計施工させていただいた住まいの玄関の家具です。
![]() ▲天狗山の家の玄関飾り棚 |
![]() ▲田畑の家の下足収納 |
![]() ▲三角地の家の下足収納 |
![]() ▲高尾のコンパクトハウスの下足収納 |
それぞれ、住まい手の要望や暮らし方、雰囲気に合わせて一つ一つデザインし、全て家具職人さんに造ってもらい、現場で取り付けます。いわゆる造り付け家具です。大型インテリアショップやインターネットで購入した量産タイプの家具でもよいのですが、出来上がった空間に置いてみると雰囲気が合わず、違和感が残る場合が多々あります。最近、インドネシアやフィリピンで生産された低価格の輸入家具が販売されています。デザインを北欧モダンや和モダンと呼び、カッコよく見えて安価なため、買ってもよいかなという気にさせられますが、よくよく見て触れてみると、つくりはキャシャですし、すぐに飽きて買い替えたくなってしまう、値段相応の使い捨ての消耗品に見えてきます。そういうモノがダメとは言いませんが、そういうモノを買うにしても、愛着がわいて捨てられないほどコダワッテ選んでいただきたいと思います。推し量って考えると、インドネシアやフィリピンの人達の労力を使い捨ててしまうことにつながるからです。私たちが地元の職人さんと一緒に造るお客様のための住まいや家具も同じことで、そうしないために、私は常々、「古くなるほど味わいが増す住まいづくり」に心がけています。それは、外国産のモノのような安さではできませんが、高額な予算がなければ出来ないというものでもなく、見た目や使い勝手、素材選びまで含めたデザインによって可能になります。少々、値が張るものでも、それに愛着を持って長く使えば、安価なものを何度も買い替えるのと同じか、それ以上に価値は高くなると思うのです。ぜひ、「何度も使い捨て」から「長く使い続ける」へ、価値の見直しをしてみてはいかがでしょう?
こぼれ話ですが、最近、建築専門誌で取り上げられた記事の中に、さきほどのような外国産の輸入家具に「ニシインドカンザイシロアリ」や「ダイコクシロアリ」などの外来種のシロアリが潜んでいて、床や柱を食い荒らす被害が出ているそうです。心あたりのある人は、身の回りを確認してみてください。
次回へ続く。



