雪灯りの散歩道
信州木曽谷は、古来から中山道の宿場町として栄えた歴史深い谷で、今も、古い町並みが点在しています。馬籠宿、妻籠宿、福島宿、奈良井宿は全国的にも有名です。「現代の生活にはマッチしない、観光用に保存された時代劇のセットやテーマパークと同じ」と揶揄されることもありますが、それでも多くの観光客が訪れるということは、そこには、人を引きつける何かがあるということです。私も、引きつけられている一人で、学生時代から今まで、何度となく足を運んでいます。確かに、昔のように宿場として旅籠(はたご)を営んだり、昔からの生業(なりわい)を続けている人は少なく、現在は、町の外に働きに出ている人が大半を占める状況で、生業と町並みが一体ではないかもしれません。でも、そこには町並みを守りながら暮らしている人がいて、そこに引きつけられる人がいます。何が人を引きつけるのか考えてみると、確かに、現代では珍しくなった町なみにタイムスリップできるようなテーマパーク的な面白さもあるかもしれませんが、それとは違う何かを感じます。新しくつくった、時代劇のセットのようなワザトラシサがないのです。本物の歴史の深さや懐かしさやぬくもりを感じます。軒や格子などファサード(建物の正面)の連続感、軒の高さと道幅の比から感じるヒューマンスケールなど、調和のとれた町並みの美しさも感じます。これは、西洋の町並みに引けを取らないと思います。さらに、背後に背負う木曽谷の山並みが、より、その町並みを引きたてています。現代に生きる「風土」としての魅力があります。そんな魅力を感じる木曽の福島宿で「雪灯りの散歩道」というイベントが開催されました。今年で10回目になるそうです。氷でできた行灯の柔らかい灯りが、雪に包まれた歴史ある町並みを照らし、身を震わす寒さも加わって、また一つ魅力を発見できました。
![]() 幻想的なキャンドルスケープです。 |
|
![]() 氷の行灯に照らされる町並み。 |
![]() ナマコ壁の美しい蔵並み。 |
![]() 川の流れと光の道。 |
![]() 柔らかい灯りをともす氷の行灯。 |





